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紡ぎ織る日々

暮らしに寄り添う手紡ぎ手織りの作品づくり それを支える日々の暮らしをお伝えできたらうれしいです。

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自主学習

岩立フォークテキスタイルミュージアムで開催中の「豊かなインドの針仕事」-村の女性の縫い、刺繍、アップリケ-を拝見しました。
学芸員 廣田さんによるギャラリートークは いつものことながら布へのあふれる想いが伝わってきて、こちらもどっぷりとマニアックな世界に浸ることのできる至福の時間です。
今回 一番心に残ったのがインド北西部のパンジャブ州でシク(シーク)教徒の女性によって作られた刺繍のベール「フルカリ」です。

          パンジャーブ州のフルカリ

「フルカリ」の「フル」は「花」 「カリ」は「刺繍」の意味。
手紡ぎ手織りの木綿地(約60センチ幅くらいのものを3枚接いであります。)に 色鮮やかな絹糸で 刺繍を施したもの。
真綿糸という 撚りのない絹糸を使った刺繍で面をうめているためにキラキラと光り 色の鮮やかさが一層際立ちます。
人物 ゾウ 孔雀 馬 へび トカゲなど さまざまな生き物の図柄が配置されたベールからは 楽しい音楽の調べが溢れてきそうです。

かつて こんな色彩豊かで華やかなベールを生み出したパンジャブ地方ってどんなところかしら? 
シク教徒ってどんな人々? 
くらし向きはどうなの?
心魅かれる布があると その背景を知りたくなります。

インド パンジャーブ地方は水の利に恵まれた穀倉地帯で豊かな土地柄。
シーク教の総本山ハリマンディル(ゴールデンテンプル)が所在していることもあり インド全体では少数派であるシーク教徒が パンジャブ州内では67%と多数派を占めるそうです。

シーク教は儀式 偶像崇拝 カーストなどを否定し 労働を尊厳し 奉仕を奨励する宗教。
16世紀のシーク教成立時より 裕福で教育水準が高い者の帰依が多かったため、社会的に活躍する人材が輩出。世俗の職業について それに励むことが重んじられるのですから 社会的な成功は 当然の帰着かもしれません。
海外でも活躍したために 本来はシーク教徒の男性特有のコスチュームである「頭にターバンを巻いて髭を生やしている人」イコール 「インド人」のイメージが定着したとのこと。
そのような背景により、シーク教徒は インドでは少数派でありながら 社会的に影響力のある宗教集団だそうです。
フルカリの持つ おおらかさは そんな豊かな背景が影響しているのかもしれません。

シーク教徒といえば ターバンとか ニュースで見る一部過激な行動をする人々くらいの乏しい知識しかなかった私(いつもながらお恥ずかしい…)
今回 インドにありながらカーストに影響されないシーク教徒の開明さに驚きました。

総本山ゴールデンテンプルにお参りをすると ランガルと呼ばれる食事が皆に(ほかの宗教の信者にも!)無料で振る舞われるそうです。これは(インドでは多数派の)ヒンドゥー教徒がカーストの違う人と食事を共にしないことに対する批判の表れとのこと。 
このお食事サービスを支えているのは シーク教徒のご奉仕。
毎日膨大な量の食事を供するために 食材の調達 調理 配膳 後片付けに たくさんの奉仕者が携わっているそうです。

この数日間 フルカリから始まったパンジャーブ地方やシク教徒についての自主学習(!)大いに楽しみました。

思いがけなくも 我が家のJはかつてゴールデンテンプルに行ったことがあるとのこと。
いや~~ウン十年も一緒にいて 初めて知りました!(って、私がゴールデンテンプルを知らなかったからなのですけれど)
最近の旅行のことは すぐに忘れてしまうJなのですが 学生のころの貧乏放浪旅行のことは しっかり覚えているらしい!
「(物乞いの多いインドで)こっちが物乞いしたいくらいお金がなかった~!
でも 時間だけはた~~~っぷりあった~!」
日々だったようです。
こんな身近に パンジャーブ州やシク教徒の実態に触れたことのある人がいて…これまた びっくりなのでした。

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