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紡ぎ織る日々

暮らしに寄り添う手紡ぎ手織りの作品づくり それを支える日々の暮らしをお伝えできたらうれしいです。

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祝う心 贈る心

     20170128a

2月19日まで東京国立博物館本館14室で展示されている掛袱紗。
そもそも「ふくさ」とは「物が柔らかである」「人柄が柔和である」という意味があるそうだ。
漢字の「袱」には物の上にピッタリと被せて包む裂。「紗」は細い糸で織った軽くて薄い絹織物といった意味合い。
袱紗とは、大切なものを守るために包んだり、埃が入らないように覆ったりする裂で、綸子や縮緬といった柔らかい絹織物で作られている。風呂敷とは異なり、裏がついた袷仕立て。

包んだり覆ったりする袱紗包みは平安時代から使われていた。
鎌倉時代の武家の間では、贈り物の上に袱紗をかけて渡すことが儀礼化したそうだ。
上にかけるから「掛袱紗」
贈り物の機会は、結納、結婚、賀の祝い、お節句の祝い、年末年始の挨拶など。
江戸時代前期ごろからは、刺繍で吉祥模様を表した美しい掛袱紗が武家の間で用いられるようになったとのこと。

画像は紺色の繻子地に貝桶模様を刺繍したもの。
貝合わせは1組の貝殻を合わせることから、夫婦仲良くありますようにとの願いを込めた武家の婚礼調度品。


     20170128b

鶸色の縮緬地に鴛鴦。
鴛鴦もまた、夫婦円満を願う意匠。
そのうえ、寒い時期に花を咲かせる梅と常緑の松という吉祥模様。


       20170128c

紅色の縮緬に菊と鶏。
菊は藁囲いで寒さを凌ぐ意匠。
雌鶏と雄鶏、3羽のひよこも配し夫婦円満で子宝に恵まれることを願う。


     20170128d

鳥の翼が黒繻子に松と共に表されている袱紗。
江戸時代には、極楽にいるとされる空想上の迦陵頻伽(人の頭、体は鳥といわれる)を天女と混同したのか、鳥の翼を羽衣の模様としてあらわすようになったとか。
祝言に好まれる能の演目「羽衣」にちなんだ、吉祥模様。

     20170128e

これは、山繭の糸を使った縮緬地に波にもまれる碇をデザインしたもの。
山繭は染まりにくいために縞模様となっている。
碇は波にもまれても舟をとどめることのできる力をもっていたことから、武家で好まれた意匠。

     
     20170128f

江戸時代後期になると、京都で綴れ織りの袱紗も織られるようになった。
浅葱色の地に波にもまれる菊の花束を表す。

     
    20170128g

この展示の中で一番好きなデザイン。
紺色の繻子地に刺繍した鯛の吉祥模様。
しかし、写真がうまく撮れません。
ぜひとも、ご自分の目でご覧くださいませ。


| 博物館 | 19:43 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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| | 2017/01/29 07:17 | |

Re: タイトルなし

れいこさま
こちらこそコメントありがとう!
週一の頻度で、どこかしらが展示替えなのですべては網羅できないのですが...
せめて染織関係だけはアップしようと思っています。
ところが、こちらの処理能力が追い付かず、展示替えになってしまっていることもしばしば。
今回は、冬休みが入った分 展示替えが間遠なために アップが間に合いました。
掛袱紗、これだけ集まると結構見ごたえがあります。
銀座、新橋、隼人町のみならず、たまには上野のお山にもお出かけくださいね。

| ふじおおじ まりこ    | 2017/01/30 10:52 | URL |















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