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紡ぎ織る日々

暮らしに寄り添う手紡ぎ手織りの作品づくり それを支える日々の暮らしをお伝えできたらうれしいです。

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アジアの染織@東洋館2017春

今度の日曜日まで、東京国立博物館の東洋館13室(地下)で展示されているインドの染織。
是非ご紹介したいと思いながら...気づいたら、会期末。
もっと早くご紹介できたら、より多くの方にご覧いただけたかもしれないのに、申し訳ございません。
いらしていただくのはご無理としても、せめて画像だけでもお楽しみください。

木綿布、絣、絞り、モール織など、様々な染織技法がインドからアジア各地に広まったそうだ。
母なる大地のインドは、アジア染織のふるさとととらえることもできる。
中でも、木綿布全面に手描きや木版捺染で草花や神話のモチーフを染め上げた更紗は、16~19世紀にかけて盛んに輸出され、世界中の人々を魅了した。
アジア大陸への大規模な航海が行われた大航海時代には、イギリスやオランダが東インド会社を設立し、ヨーロッパ好みの更紗を作らせたそうだ。


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薄手の美しい木綿地(モスリン)に絹の刺繍糸で花模様を刺繍した夏用の敷物は、18世紀ごろに作られたヨーロッパ向け輸出用更紗と推察される。
花柄の刺繍は、すべてインドの代表的な刺繍技法のひとつ、緻密な鎖繡(チェーンステッチ)でほどこされる。
ストールにしたら素敵そうだが、こちらは薄い綿を入れた袷仕立ての敷物となっている。


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手描きと蠟防染による壁掛。
媒染剤を変えることによって色彩豊かに植物染料で染め上げられた、と説明されている。
窓枠のように見える壁龕模様の中に描かれた、大きな花樹文様は、インドでは「生命の樹」と称し、命のシンボルとして尊重されたもの。



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黒地に花丸文様を経緯絣で表現した作品は18世紀、北インドのグジャラート州で織られたもの。

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拡大してみると、経糸、緯糸をそれぞれ、様々な色に染め分けてから機にかけ、文様を織りあげていく経緯絣の技がよくわかる。
キャプションには、「パトラ 黒地花丸文様経緯絣」とある。
パトラとは、インドグジャラート州を中心に織られ、16世紀以降、東南アジアへの輸出品として珍重された経緯絣の織物のようだ。
インドネシアやカンボジアの絣など、東南アジア諸国の染織品に影響を及ぼしたとの説もある。



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17世紀初頭に製作された「テント用掛布」
ミフラーブ形の窓の中に、大輪の赤い花が手描き更紗で表される。
(ミフラーブは、モスクの礼拝室の億の壁に設けられる壁龕。メッカの方向を示すもの。)


ヨーロッパのみならず、オランダ船は、鎖国をしていた日本にも、たくさんの更紗をもたらした。
それらは、茶道具のお仕覆や羽織の裏、着物や帯などに仕立てられ、いまに伝わるものも多い。
こちらの画像のみ、本館の展示品。
陣羽織の前立てと裏地に使われた更紗らしき織物。
これを身に着けた武将のご満悦が目に浮かぶようだ。

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彦根藩井伊家が収集した450枚にも及ぶ「彦根更紗」のコレクションは、江戸時代を通して日本にもたらされた様々なデザインの更紗を見ることができる貴重なもの。

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今回の展示での私のお気に入りは、反物の状態で保存されている愛らしい更紗。
こちらは、加賀前田家に伝来した白地小花唐草文様金更紗。

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のびやかな蔓唐草に、可愛らしい小花文や蕾があしらわれ、いずれの模様も輪郭に沿って金箔が施されている。
金箔が、文様の清楚さを損なっていないところが好ましい。

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反物の端の部分まで愛らしい!
あまりの愛らしさに、はさみを入れることを躊躇ったのだろうか。






     




          

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